アナログプレーヤー

自作を始めて10数年間の集大成となった作品です。CADでの図面起こしに約2週間、製作に3週間を要しました。図面を原寸大でプリントアウトした時は「おお!これは♪♪♪♪♪」と喜ぶ反面、「こんなの完成させられるかな・・・どうやって作ろう?」という一抹の不安がありましたが、無事完成に至りました。材は欅で、全て一木削り出しです。旋盤にて削り出しするのですが私はそんな大層なキカイは持ってませんので友人に荒加工してもらい私が仕上ている間に次の荒加工・・・という手順で進めて行きました。

Pro-Ject RPM 9 と ortofon SPU

素材となったプレーヤーです。非常にシンプル&美しいデザインに惹かれて
購入しました。が、その排他的なアーム構造ゆえSPUが使えない・・・これがこのプレーヤーを作るきっかけになりました。当初は簡単にターンテーブルベースに銅か真鍮板でアームベースを取付けるつもりだったのですが、いざ図面を引いてみるとSME 3012Rを取付けるためには直径300mmのターンテーブルベースの外周から約200mmくらいアームベースを突き出さないといけないという事が分かり、あまりにもアンバランスなので、紆余曲折、七転八倒?の末、完成品のようなデザインになりました。

御影石プレーヤーベース&鋳鉄製インシュレータ

これは自分では製作出来ないので、石材屋さんに図面を渡し、作ってもらいました。6面鏡面仕上とR加工で「出来たよ♪」と連絡をもらい、受取りに行った時「これは素晴らしい!」と思わず口に出てしまう程の出来栄えでした。自宅へ持ち帰り、ターンテーブルベース、アーム台、インシュレータ取付用の穴あけ加工をして「さて、どうやって部屋まで運ぼう?」・・・比重計算では概算重量44kgだったので「一人で運べない重さではないな・・・」 ところが実物を計量した所、なんと55kgもある。私の体重より少し軽いくらい・・・(^_^;) 気合を入れ、2階の自分の部屋へ運び入れ終えた時は力尽きてしまい・・・・・・┏(_ _;)┓はぁーはぁーはぁー・・・・・・・
インシュレータには6mmのステンボルトを固定加工し、ターンテーブルベースと共に最大20mm以内で高さを微調整出来るようにしてあります。

アームベース&アーム台

アームベースは2mm厚の真鍮板を切り出し、穴あけ加工した後、バフ仕上。顔が映るくらいの金色に輝いてます。

SPUはAEとGEを使い分けてますが、アーム台ごと移動&固定可能に作っているので、アームの調整不要で簡単に交換できます。DV-20XLは以前のプレーヤーでは相性が悪く、購入後はほとんど使用していませんでしたが、このプレーヤーに装着した所、カーボンアームと相まってレンジの広い、良好な音質で鳴るようになりました。

モーターケース

モーターケースはドライブベルトのテンション調整の時、ターンテーブルベースと干渉する為、内側をr=150で削っています。

SME 3012R + ortofon SPU AE

Pro-Ject 9C +
Dynavector DV-20XL

モーターケースを除いたアーム台とターンテーブルベースは簡単かつ堅固に固定されていて横からの応力にはびくともしませんが、容易に分解可能です。

ハウリングは皆無でゲンコツでぼこぼこ叩いても、床を足で蹴っても針飛びすら起こさず、物量投入作戦とリジッドマウントが功を奏した感じです。

製作当初は若干硬めの音質でしたがエージングと共に音が馴染み、ハネナイトターンテーブルシートの装着も効果があって、低重心で耳障りな音が出ずどっしりとした重量感がある反面、弦やピアノの余韻が素晴らしいプレーヤーです。

L=470 W=600 H=302
総重量:75kg
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