075 2440のメンテナンスと改造
075
外観程度はまあまあの状態。千枚通しでJBLの刻印が入った封印を削り取る。
ここまでの作業でダイアフラムを外した時点で大いに疑問に感じた事があります。「これ、ひょっとしたら・・・」と思い端子部をバラしてみると案の定、信号経路に「鉄」が介在している!固定用のビスを介して信号が流れるようになっているのです。・・・(
^ε^;)
そこのアナタ・・・メーター単価数千円〜数万円のスピーカーケーブルを使って喜んで
ヽ(^ヽ^)(^ノ^)ノ 〜♪ いる場合ではございません。
右からスピーカーターミナル、菊ワッシャでゴムブッシュを挟んでフラムリード線接続端子、固定用ビス
経験上、信号経路に鉄が介在すると神経質で耳障り,そして抜けが悪くこもった音質になりがちです。それを利用してヴォイシングされる場合は別として、これではいくらスピーカーケーブルを良質の物に変えてもここでブレーキが掛かってしまいます。いくらなんでもこりゃ無いだろうと思い、フラム⇔ネットワーク間を直結にする事にしました。
これ以上分解してはダメです。バラしたついでにと思い、バックキャビまで外して鉄粉をコンプレッサーで吹き飛ばしたまでは良かったのですが、その後、大変な事に気が付いたのです。
・・・・・減磁してしまいました・・・・・ (ノ~_~;)ノ 〜┻━┻
☆! ・・・( i ◇ i )
原因は強烈な磁力でくっついているバックキャビティを無理やり外したためです。新品のユニットを組立てる際は着磁したマグネットを入れるのでは無く、ユニットを組立てた後に筐体ごと着磁するらしいので、バックキャビティ全部がマグネットになっているという事が分からず、むりやりプレートとキャビネットを分割したため、引き離される瞬間に逆磁界が発生し、減磁したものと思われます。症状としては音が小さくなり、アンプのボリューム位置を極端に上げないと減磁以前の音圧を得られなくなりました。ユニットのエネルギー源である磁力が失われているのですから当然ですね。もっとも古いユニットなので自然減磁が進んでいる場合もあり、こちらは簡単にバックキャビが外せるようです。075は130系と2wayで鳴らしても違和感を感じさせないほど繋がりの良いユニットなので、高域が足りない、あるいは「075ってこんな物なの?」と思われている方は減磁が進んでいる疑いがあります。再着磁して元に戻りましたが、痛い出費と経験になりました。
ここまでバラして減磁させてしまいました。(^_^;) 健康体であった075さんごめんなさい・・・
右の画像はマグネット本体
ダイアフラム交換と直結
スピーカーターミナルを外した穴を利用してケーブルを出す。引っ張っても抜けないように詰め物をする。この時使用したケーブルはアンプ用のOFC配線材。フラムのリード線にハンダ付けして接続する。この後、新品フラムに交換と同時にモニターPCに変えました。
完成
ついでにアルミHL仕上げと言うより削りっぱなしと言った方が良いようなバイト痕が残るホーンとイコライザーを磨く。新品フラム、再着磁と新品以上のピカピカ075に蘇りました♪
2440のメンテナンスとケーブル直結
JBLのホーンドライバーはバックキャビティ内にウレタンが貼ってあり、これが経年変化でベトベトに溶け出し最悪の場合ダイアフラムにくっついてしまうらしい・・・という話を聞いて点検する事にしました。ところがバックキャビを固定している4本のビスのうち、2台ともその内の1本がネジロックでガチガチに固定されて普通のドライバーではビスが回らない・・・ インパクトドライバーを引っ張り出して叩いたところ、1台は一発で緩み「さすが専用工具♪」と、次にもう1台を叩く・・・回らない・・・叩く・・・回らない・・・力を込めて叩く!・・・回った♪と思いきやビスの頭がナメてしまっている・・・・・(^_^;)だみだこりゃ 次の手段:逆タップ。これがダメならまだ別の方法がある・・・と力を込めて回したらいとも簡単に緩みました。
4本のビスを緩め、バックキャビを外すと、やっほ〜♪(^.^)vとダイアフラムが表れます。スピーカーターミナルの構造は075と同じ。しかもフラムに接続するリード線が硬く両端が圧着端子。これも直結にする事にしました。
ウレタンはまだ大丈夫そう・・・だが数年以内には交換した方が良さそうだ。075と同じくモニターPCを使用。抜け止めに一度結び、インシュロックで固定する。穴の隙間
はネオシールで塞ぐ。ケーブルに端子は使わずフラムリードと直接接触するようにビスで固定する。
完成
ホーンとドライバーで約35kg。一人で持ち運びは出来ますがスピーカーボックスの上に上げ下ろしするのは無理です。お手伝いしてくれた永沼さん、ありがとうございました♪
音質の変化
075 2440トータルで、ボーカルはより前に出るようになり、弦とシンバルはリアル感が増し、全域に渡り抜けの良い音に変わりました。言わば今までサイドブレーキを引きながら走っていた車のような物だったのでしょうね。
2440バックキャビ内ウレタン交換
’06 11/19
以前点検してから2年半が過ぎ、気になっていたウレタンを交換する事にしました。ホームセンターで手頃なウレタンを探したのですが、密度が高過ぎたり薄かったりサイズが小さかったりと適材が無く、結局JBL純正品に落ち着いたのですが組み付け時点で問題が発覚。(^_^;)
これが今回購入したJBL純正ウレタンです。従来の丸型と違い切り込み部が多く隙間ができないように工夫されています。
取り外し前の状況。弾力性が全く無く、指で押すと二度と元には戻りません。
コーン型等のウレタンエッジは外部にさらされているので硬化してボロボロになりますがこちらは内部に密閉されている為か溶けているような状態です。左は復元性ゼロ。右はまだマシで時間を置けば元に戻ります。
シリアルNoは72番違いでそれほど離れてないのですが
状態はかなり違います。
ウレタン一枚かと思いきや底面にはフェルトが貼ってありました。両面テープでの接着なので端部さえうまく押さえればあとは簡単にベリベリと楽にはがれます。
交換完了♪(^.^)v バックキャビ内周面まで隙間無く綺麗に収まりました。さすが純正品。
なぁんだ、こんなに簡単に交換出来るんだ、さあ組み付けよう♪と思った時、意外とフラムが出っ張っているのに気が付く・・・ん?(・_・) 目測だとウレタンまでの距離があまり無いような? フラムに直接スケールを当てられないので真横から見て計測。バックキャビとの接合面〜フラム頂点間17〜17.5mm。ウレタン側は18mm! 1mm以下のクリアランスしか無い!!! (゚口゚;)ウレタンが溶け出すと最悪の場合ダイアフラムにくっついてしまうと言う事がこれで理解できました。これではあまりにも近過ぎます。ガスケットを作って接合面に挟むか? あるいはウレタンを削るか?簡単な方法でウレタンの一部を切り取る事にしました。
問題は頂点部周辺なので中心を直径50mmで擂り鉢状に切り取ります。ウレタンは直線的に切るにはカッターで十分ですがこのような切り方をするには切れ味が不足します。ふと思い出して使用した登山ナイフは購入してから仕上砥で丁寧に研ぎだしたもので恐ろしい程の切れを発揮し、ティシュペーパーに直角に刃を入れそのまま下げただけで切れる程です。
これで5〜6mmのクリアランスを確保できました。
完成
クリアランスの不足という意外なアクシデントがありましたが組み付け完了しました。これで私が生きている間は?もう交換しなくても大丈夫でしょう♪
久しぶりにドライバー単体の音を聴いて見ます。 おっ♪中々良いではないですか♪ ホーン無しでもけっこうイケますね。
次に60mm厚のスロートアダプターを取付けて聴く。
たったこれだけでずいぶん違います。音にまろやかさが加わり角の無い聴き易い音ですね♪
次にウッドホーン本体を取付けて聴く。
まるで違う・・・(^_^;) 密度が濃く輪郭が際立ちボーカルや弦が瑞々しい音になります。改めて見ると欅の木目も美しいし♪
ネットワークは進化を止めて一年くらい。たまに微調整してるので外しているのもあり仮接続しているのもありで乱雑になってますが、構築初期は僅かな容量でも確実な変化として音に表れたのが、最近では微妙な変化にしか感じられなくなりました。熟成したようです。そろそろこの容量で固定しようかと思っているのですが、まあそれにしてもよくこれだけ集めたものです。使用総数80〜90個? 途中からデータを更新していないので正確な数は分かりません。音の方はこれだけの物量を投入した価値はありました。