ウッドホーン&ネットワーク
ウッドホーンを作れないかなぁ・・・そう思ったのは2inドライバーを手に入れて、友人のWestern Electric
31Aホーンで鳴らしていた時の事です。市販のウッドホーンはちょっと手が出ない値段だし、なによりも集成材で作ってあるのが嫌でした。確かに集成材は狂いが出にくいかも知れないが、味気ない。無垢材でしかも硬く木目の美しさでは群を抜く欅材で作れればと考え、大工さんや指物師に相談したら「そんな手間のかかるモン作って狂ったら元も子も無いだろ?やめた方がいいよ」という皆さん御一致した回答をもらいました。(^_^;)・・・・・しかも口の悪い事に、「そんなモン、シロートに作れるワケ無ぇーだろ!」 凸(`∩´) FUCK
YOU!!! なら作ってやろうじゃないの!(^00^)♪フン!
・・・という経過を経て、狂いが出るのを覚悟の上で作ったのがこのホーンです。「無線と実験」に載っていた「fc290Hz 2inフルサイズウッドホーン」という製作記事を参考にしました。フィンは鳴きが出る可能性があるので付けませんでした。製作後、3年くらいまでの間に接合部の一部だけ1mm程度の狂いが出ましたが、これは設置場所が窓際だったので直射日光が一年中当たっていた為と思われます。その後、狂いは止まり音質的にも悪影響はありません。
製作中は作業が終わったらビニールシートで覆い、出来るだけ狂いが出ないように注意しました。大まかに裁断し、電気カンナで荒削り、手カンナで形を整えペーパーで仕上。天板と下板になる材は厚板が入手しにくかったのと、極力狂いを抑える為に、二枚を張り合わせたのですがその結果、ルックスも引き締まりました。
これは塗装前の状態です。カンナを掛けただけで艶がでる程の硬さです。刃は何度研ぎ直した事か・・・
カンナ台は中央部分だけがすり減る為、二つダメになりました。
L=443 W=620 H=240
重量 23kg(ドライバー含まず)
使用ユニット JBL 2440
ネットワーク
始めは容量を加減しながら1〜2個のコンデンサーで繋いでいたのですが、あ〜でもないこ〜でもないなどとやってるうちに御覧のような構成になりました。コイルは音質劣化の元凶なので使用していません。6dB/octのネットワークです。種類はいろいろ試した結果、オイルブロックタイプが刺激的な音が出ず、艶やかに鳴るのでほとんどがオイルコンデンサーです。隠し味(^^?にフィルムとマイカを少々使っていますが、驚いた事に数値上は全く無視できる程の0.01μF程度の容量の物を追加しても確実に音質は変化します。コンデンサーは並列側により多く使えば、音質が向上するという事がこのネットワーク作りで実感できました。075用に23個、2440用に16個のコンデンサーを使用していますが、どちらも基幹を直列に三段構成にしているので微妙な容量調整が可能です。スピーカーケーブルの接続にはボルト型コネクタを使用しているので、ケーブル間に異種金属が介入せず、線同士を直結する事が出来ます。
合成容量は075用が計算値:約3.08μFに対して実測値1.76μF、2440用が計算値:約13.8μFに対して実測値17.2μFとバラつきがあります。個々のコンデンサー測定ではそんなに誤差は出ないのですが、合成すると計算値からはかけ離れた数値になります。また、左右でもバラつきがあるので補正してあります。
075ネットワーク
2440ネットワーク
ハイパーボリックホーンの特徴として、ホーン開口部からは全面にわたり、ほぼ均一な音圧が得られ独特な指向特性のため音場感も抜群で、弦の瑞々しさや力強いリアルなボーカルと定位感は最高です。反面、濃密なサックスの音は537-500に一歩譲ります。試しにA3の紙を丸めてスロートに突っ込んで聴いてみたらサックスは537-500に近い感じになりますが、弦とボーカルは物足りない音になってしまいました。
考察 :デフラクション部を90°では無くもっと狭めるか、あるいはストレートホーンとハイパーボリックを合体させたような形状に作ればボーカルはそのままで、サックスの音がもっと充実してくるのではないか・・・ 075と2440を同一ホーンで鳴らすようにスロートを作れないか・・・・・
今考えている事がアタマの中で形状化すれば、再びウッドホーンを作りたいと考えています。(^.^)v