カールホーン

’07 2/16〜2/23 ツキ板貼り
曲面へのツキ板貼りと言う事で少々悩みました。合成ゴム系速乾ボンドを使えば簡単ですが、ウレタン塗料を塗ると剥離が心配です。木工ボンドだとツキ板がボンドの水分を吸いシワになり易く、貼り難い上に通常のアイロンを使用出来ません。考えた結果、アイロンを削って曲面に加工し、それで圧着出来ない所は鉄パイプを熱してアイロン替わりにして貼付けます。

曲面ツキ板貼り工具?一式アイロン、カッター、500と700mmに切ったφ54厚鋼電線管。トーチランプで管の内部から熱します。
ボンドは両面に塗り透明になるまで乾燥させてから接着し、アイロンを使う時間を短くするようにし
ます。
杢目や板目のツキ板貼りは接着乾燥後にこのようなひび割れが入り易くなります。1mm前後の割れは比較的補修も楽ですが、細かい割れが結構入っててこれらの補修でかなり時間が掛かります。
板目や柾目と違って不規則な目なのでこの形状には合っていて米松杢目のツキ板で正解でした♪
組立て終了♪
無事、組立てが完了しました。(^.^)v 設計が終わり製作を始めた時は果たしてまともに組上げられるのだろうか?と不安でしたが、こうして見ると我ながら壮観です。(^○^) 良くもまあ、ちゃんとした形になったものです。
白木のままでも十分木目は美しいですが着色塗装する事により更に木目を際立たせ存在感を出したいと思います。最終工程の塗装に入ります。(^.^)v

これでしくじったら元も子も無いな・・・ ( ゜┌・・ ゜)

安易な気持ちで始めたカールホーン製作。終わって見ればこれまでで一番工作難度が高く、時間の掛かった作品となり「プロジェクト・]」並みの道のりでした・・・・・(^◇^;)

下塗り〜中塗りにサンディングシーラーを3回吹き付け。ペーパー掛け中。

’07 2/24〜 塗装
アルコール系着色剤を調合して色を出します。狙いは深みのある落ち着いたワインレッド。
ぶゎんざ〜い(/^^)/〜♪ できたぁ〜♪

(^.^)∠※PAN・PAN! ( ^-^)/~~~▼▽▼▽▼▽[☆ 祝完成 ☆]▼▽▼▽▼▽~~~\(^-^ )

ぎゃははは〜♪ どどどどど
ε=(((((( (v^^)~♪

仕上げ塗料は70%艶消しを3回塗り。

3/2  完 成
H=994mm
W=640mm
D=798mm
中心音道長=1965mm
内周長=1643mm
外周長=2324mm
開口部内寸=580mm
重量=16kg(設置台含む)
ラワン曲げ合板
米松杢目ツキ板仕上げ
塗料は2〜4時間で次の作業に入れる程度まで乾燥しますが、塗装完了後、一日経ってもマスク無しでは頭痛がしてきて20分と作業場内に居れません。 ( ^ε^;) このまま10日間程、通気を良くして塗料の完全硬化を待ちます。
部屋に搬入しました。まずこの状態で2440を取付け、フィルターを通さずアンプ直結のフルレンジで音を出して見ます。JBL2440のFレンジはカタログ上は500Hz〜12kHzですが下は400Hz,上は9kHz当りから急峻に落ち込みます。

まず驚いたのは2440からこれだけの低音が出てくるとは思ってもいませんでした。カットオフ50Hz、約2mのホーン長が効いているのかも知れません。もちろん、このホーンのみで実用になるレベルではありませんが、高域もそれ程の落ち込みは無く、12cmくらいのフルレンジユニットを取付けて聴いて見るのも面白いかも知れません。

                   3/25 試聴

15年間ウッドホーンを聴いてきた耳にこのカールホーンはどんな音に聴こえるのでしょう?これからの試聴はあくまでもウッドホーンとの比較ですが、ウッドホーンは時間を掛けて音を追い込んできたので試聴初期から満足な音が出るとは思っていませんし、これからの調整にはそれなりに時間が掛かると思います♪

ウッドホーンを下ろしSPボックスの上に上げました。やっぱり実際に設置して見ると相当な大きさで ^^; 最上部まで約2.1mの高さがあり、かなり圧迫感があります。アンプ、フィルター等はそのままでウッドホーンと同じ条件で聴いて見ます。

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一番期待してたのがこれ♪チューバがどう響くか?・・・ 全体的に奥行き感が増し大迫力&非常にリアルでウッドホーンでは出なかった音です。これはすごい!(^○^)やった〜♪ この音だけでこれまでの苦労が報われた気がします。これに気を良くして次々に聴いて行きますが、どうも変・・・? ボーカル、サックス等の定位感は向上したものの、音の密度が薄くなったような・・・ウッドホーンに比べ開口面積が約2.5倍になった為でしょうか?それに数曲聴くと、どうも変に聴き疲れする・・・ どこかにピークがあるようです。
3/25〜4/3 調整
CADでシュミレーションした時は設置台に開けた5個の穴の中央で固定すればリスニング位置の耳の高さで上下角が合うはずでしたが、実際に聴いてみるとボーカル位置が高いので一段(30mm)上げて角度を深くしました。フィルター容量はfc290Hzのウッドホーンとfc50Hzのカールホーンではやはり合わないようで、聴き疲れするのはこのあたりが大いに関係しているのではないか?と考えてコンデンサ容量を減らしクロスを100Hzほど上げて見ます。

この調整で薄く感じたボーカルとサックスの音がほぼ元通りになり、聴き疲れするような事も無くなりました。ただ残念な事にチューバの迫力感は少し失われたようです。この辺は相反するのでしょうか・・・ 定位はホーン断面を正方形にしたのが良かったのか、自然な感じで「口」が現れます。弦は特にチェロや
コントラバスが胴鳴りまでも良く聴こえ、より深みのある音になりました。

このカールホーンの一番の形状的な利点(欠点にもなる)はユニットからの直接音が耳に届かない事です。大音量再生時、耳にきつく感じられるソースもあったのですがそれが無くなりました。WE31Aホーンを借りて使っていた時あの形状から考察してウッドホーンのスロートも曲げて作りたかったのですが、デザイン上のアンバランスと無垢材では製作が困難なためストレートにするしかありませんでした。

設計、製作途上では果たしてまともなホーンとして完成するのか、実用になるのだろうか?という不安は常にあったのですがわずかな調整のみで十分に音質を楽しめるホーンとして完成しました。今後は少しづつセッティングを変えながらより自分好みの音に追い込んで行きたいと思います。
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今回、人身御供となったアイロン。高速カッターで削ったのですが、ステンレスなので硬くてなかなか削れませんでした。
インディアンの羽飾り?のような切り込みは熱収縮によるひび割れと反りを防ぐ為です。
最終部位、開口部枠の貼りです。こちらは柾目のツキ板を貼ります。

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