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復活オーディオ

プリアンプ電源部再製作

プリアンプ電源部を造り直します。
このプリアンプはフォノレンジで完成当初から「キュルキュル・・・」といったノイズが出ていましたが、ほとんど使用外の最大ボリューム付近でしか出ないノイズだったので、さほど気にしていませんでしたが、MOS・V-Twinの完成が間近になった頃に通常音量近くでも出るようになってしまいました。これがきっかけになったのともうひとつ、気になっていたYAPさんが開発した超低雑音電源があります。これをフォノイコライザーのオペアンプ電源に使って見たいと以前から考えていたのですが、そのまま使うつもりでいた電源トランスからは電圧が足りず供給出来ないので、別トランスで電源を供給します。
別筐体にした現在の電源部のシャーシは市販の物で、上下はしっかりしていますが、前後板が薄く、電源スイッチを押すとしなるのが分かります。当時は単純にパーツが納められる箱をと考えて選定した物ですが、今回はパワーアンプもどきにシャーシから造ります。

電源部の造り直しでどのように音質が変わるのか楽しみですが、その前にオペアンプをLME49860NAからMUSES01へ変えたらどうなるか試して見たところ、あのノイズが嘘のように無くなり、恐ろしく静かになりました。原因はLME49860NAの初期不良でした。・・・なんという事でしょうか、造り直しのきっかけとなったものがオペアンプの交換で解決してしまいましたが、設計もだいぶ進んでいた事もあり、やりかけた事を途中で中断するのも嫌なのでこのまま製作を進めます。MUSES01へ換装してからまだ数十時間しか聴いていませんが、音の方は換装直後は上品な落ち着いた印象でしたが、高域がキツくなったり,「おっ♪」と思える美音が出てきたりと刻々と変化しています。まだエージング途上なのか、それとも中踏み状態なのか分かりませんが最近は少し落ち着いてきています。相対的に音質が一段と向上した印象なんですがこれ、良いオペアンプですね・・・。
このような感じで製作予定です。電源トランスとチョークはシールドケースに入れてそのまま流用します。
これまでコントロール部ラック下のフロアへ直置きだった電源部はそれなりに気掛かりでした。良い機会なのでラックも造ります。
2019/2/20
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カールホーン修復
まずはシールドケース用ベースを3枚造らなければなりません。鉄板から切り出し、ヒートシンクと共に加工後、錆止め、黒色塗装です。
この真鍮板は6C33C-B製作の際に発注した真鍮板ですが、角穴が一か所だけだったので曲げ加工と一緒に頼んだところ、前後位置が9mm間違って納品された物です。今回寸法を確認したら、ぎりぎりで間に合いそうなので丸鋸で切断しました。
穴開け加工終了です。サイズが小さい割には穴数が多く、部品固定用のタップ加工も結構あったので、それなりに時間が掛かります。
仮組して見ます。手前左と中央が電源トランス、右がチョーク用のシールドケースです。このケースは市販の物ですが、いずれもベースを自作しないとトランス類が取付られません。何故こんな造りにするのか理解に苦しみます。おまけに右画像のメッキされたベースは付属の物ですが、3台共にタップ不良、エッジ未処理、くの字状の歪み等々、明らかに某国の製品らしい造りです。縮塗装だけはしっかりしているのがせめてもの救いでした。
オークションで掘り出し物の角材を見つけました。ウェンジとの事で出品されていましたが、これはブラジリアンローズウッドです。各部に渦杢が出ていて杢目も変化に富み、小面積のアンプパネルに使うには最高の材だと思います。6B4Gを改造する時に使おうと思って購入したのですが、採寸して見たら今回のパネルの分も取れそうなので製材して見ました。材積と重量から計算すると気乾比重は0.9前後の硬い木です。バンドソーで挽き割りしようとしたら案の定、煙が出てきましたが、焦げ臭い匂いでは無く、まるで香木を焚いているかのような良い香りでした。ひび割れが多く、木取りに少し悩みましたが、狂いは出るのか、使えるのかどうか、このまましばらく様子を見ます。
2019/2/24
ブラジリアンローズウッドの様子を見てる間にラックを造ります。棚板は樟の一枚板です。樟脳の原料だけあって加工中は工場中に樟脳の匂いが充満し、下着まで臭くなる程でした。支柱はケヤキですが、単に四本で支えるのも面白味が無いと思い、あれこれ考えているうちに上の図面のような形状になりました。毎度の事ながら考るのは良いですが加工が進んでくると、だんだん額に青筋が立って来ます(爆) 面取り用のルータービットは刃物研磨専門会社で研磨してもらい、切削スピードを調整して見ましたが、どうしても焼けが入ってしまいます。
2019/2/28
大まかな加工が終了したので組み立てます。パワーアンプ用ラックの時もそうでしたが、仮組の時は非常に気持ちよく納まるのですが、どう言う訳か本組しようとすると、きつくなって難儀します。棚板と支柱との噛み合わせがぴったり過ぎて、ボンドの水分を含んで木が膨張してきつくなるのかも知れません。ボンドの硬化後、最終的な面取り、ペーパー掛けをしてストップシーラー塗装一回目です。この後、ウッドパネル加工の合間を見ながら4〜5回程、塗料を塗り重ねて行きます。辺材の黄淡色と芯材の褐色のコントラストが綺麗で、この上に何も置きたくありません(笑) 前面の辺材部分は無加工で、木の自然な曲線を生かしました。上段の棚は一見、不安定な感じで強度不足に見えるかも知れませんが、50〜100kg程度の荷重ではびくともしない強度があります。
製材後、5日間ほど様子を見ましたが、ヒビの入りも狂いも全く無いのでウッドパネルの加工に入ります。全面にカンナを掛け、コーナー部はえぐりが入るので接合部のホゾをオフセットして加工しました。真鍮板の奥行がぎりぎりのため、天板パネルの幅が取れず傾斜カットすると最小部は2mmしか幅がありません。これまでは加工後にフロントパネルと接合していましたが、今回は溝を切り、接合してからカットしました。
組立前の加工が終了したので真鍮板、底板まで取付けて確認します。天板パネルとスイッチが近いようにも感じたので取付けて操作して見ましたが問題はありませんでした。それにしてもこのブラジリアンローズウッド、密度が高く、かなり硬い材です。木片を水へ入れたらじわ〜っとでは無く、手を離した勢いそのままでストンと沈みました。複合機のカンナ刃には微妙な欠けが入りましたし、バンドソーを使い終わった後、特有の良い香りでは無く、きな臭い匂いがしてきたので「何だ?」と思ったら、バンドソー内のおが屑が溜まりやすい部分でオレンジ色に熾火になっており、気が付いたから良いようなものの、危うく火災になりかねない所でした。
フロントパネルからサイドパネルへかけての処理が図面通りだと少し距離が長過ぎるように感じたので、型紙を作って確認して見ました。何の疑問も持たず、図面通り加工して削り過ぎてしまっては修正が利きませんので、少な目にして状態を見ながら加工を進めます。荒木取りしてから中仕上げまでの工程を、あと10mm、5mm、3mmと納得の行くバランスになるまで繰り返しながら仕上げて行きました。
右半分はカンナを掛けた面ですが、まるで塗装後のような杢目と艶が出ます。これも密度の高さと硬さゆえでしょうか。
仕上げ最後のペーパー掛けが終わりました。これで全ての加工終了です。
塗装一回目です。この木肌と杢目が浮き出て来る瞬間が好きです。 明瞭でダイナミックな杢目ですが、加工したばかりなので木肌の濃淡がはっきりしています。年月が経てば加工前の角材のような濃い色調に変化してくるのではないかと思います。
2019/3/5
ウッドパネルは8回目の塗装を終えました。部分的には納得出来ないものがありますが、十分な塗膜感と艶が出ましたのでこれで塗装終了にします。2液性塗料なので1〜2時間で手を触れても影響が無い程度まで硬化しますが、面積が少ないとは言え、室内へ入れて体に影響が出なないようにするには数日間の養生期間が必要です。
2019/3/8
一週間ほどの乾燥期間を置いて組立て始めました。
現在の電源部からトランスとチョークを取り外してケースへ取付けます。下は新たに追加した低雑音電源用のトランスです。
真鍮板をウッドパネルへ固定しました。銅色塗装は艶出しクリア仕上げです。
YAPさんの超低雑音電源です。オペアンプ2個を動かす為にこんな大掛かりな電源を?と思われるかも知れませんが、期待は大きいです。
6DJ8のB電源用の安定化電源をテスト中です。初期には一次対二次の電圧差が大き過ぎて、20分程様子を見てたらツェナーが焼けました(笑)70V程度降圧させてからツェナーへ送ります。
超低雑音電源と基板へ組んだ安定化電源を組付けて配線して行きます。電源部のみなので配線は簡単です。
増幅部の不要になった配線を外して、新たに配線し直しました。  今回の改造点をまとめると
@ ヒーター電源と共用だったフォノイコライザー電源を切り離し、独立トランスからYAP超低雑音電源にて供給
A ラインアンプ部、6DJ8のB電源をSic・SBDで整流し、高容量コンデンサーを介してSic MOS・FETを使用した原図とは別の安定化電源へ変更
B 放熱設計の見直し
大まかに以上の三点を重視しながら、ヒーター安定化電源は原図回路のまま新たに製作したのですが、データシートを元に3端子レギュレータへ省略されていたコンデンサー3個を追加したら非常に安定し、発熱量が大幅に下がりました。前の電源部ではヒーター電源、B電源共に抵抗、3端子レギュレータ、FETの発熱量が高かったので、今回は内外へ取付けた放熱器も大きくしたのですが、原図通りに造った前の電源部はちゃんと動作はするものの、どうも不安定だったようです。電源部と増幅部を繋いで動作のテストをしたところ、左右の電圧差も無く安定していて、発熱量はこれまでの半分程度になりました。そう言えば不思議に思ってバラックで組んでみたら動作しない回路があったり、抜けている部分があったりと、専門誌と言えども最終的には自らの検証が必要と言う事でしょうか。
2019/3/22 完  成
試聴
残留雑音は1桁も下がりましたが、元々が無信号時に最大ボリューム付近でしか聞こえない、フォノレンジでのホワイトノイズと、CDレンジでは無音だったので聴感上の変化はありません。

出てくる音は確実に変わりました。
フォノレンジで最初に感じたのは高域の透明感が増してボーカルがより鮮明になり、全体的に音が引き締まったという印象です。これは間違いなくYAP超低雑音電源の効果でしょう。CDレンジでも同様の好ましい印象で、一瞬、低域が減衰した?と感じましたがそうでは無く、こちらも引き締まったゆえに余計な付帯音が抑えられ、質感の向上した音です。劇的な変化ではありませんが、聴いて分かる変化で、大きな電源を必要としないプリアンプでも、電源の強化は確実な効果を得られるという事がこれで実証されました。
2019/3/23
完成概要 W:580 L:390 H:430 重量:15kg
真鍮板は鏡面仕上げして保護塗装まで終えましたが、今回は仕上がりが今一つ気に入らなかったので、思い切って銅色塗装して見る事にしました。「ほほ〜、シャーシは銅ですか・・・」「いえ、真鍮です」「???」などと言うウケを狙った訳では決してありません。

ところがこの塗料、垂直面、水平面に係わらず部分的に地肌が出てしまいます。最初は油分でも残っていたかと思い、徹底的にシンナーで洗い、プライマーの吹付量を変えて見ても同じで、その後何度もプライマー、ペーパーの掛け方などを変えて工夫し、やっとの事で塗り上げたのが右画像です。本物の銅と見間違う程の綺麗な仕上がりで、これなら今後、シャーシを造る際には高価な銅板や真鍮板を使って手間暇掛けて仕上げるより、鉄板にこの塗装でも良いかなと思える程でした。
完成概容 W:441 L:257 H:157 重量:10kg