2014/5/29
注文していたアナログプレーヤーが到着しました。「Acoustic Solid Solid
Machine」です。IKEDAのアーム・カートリッジとシステムを組む予定ですが・・・・・清水の舞台から飛び降りる心境です。総アルミ削り出し・鏡面仕上げの筐体はプラッターだけで13kg、総重量はカタログ上は24kg(付属品を除く本体のみの重量と思われます)になってますが、説明書では30kgとなっていて、かなり重いプレーヤーです。ちょっとした移動でも大変な作業で、流失を免れた御影石プレーヤーベースと合わせるとシステム総重量は90kg前後になります。
箱から取出しました。これはプラッターベースでこの下にスパイク受けベースがあります。
ラック → 御影石ベース → プラッターと水平管理は厳重にチェックして設置しました。
組み立てました。デザイン、バランス、その重量からくる重厚感と相まって美しいプレーヤーです。アームとカートリッジも届いてますがまだ取付けられず、現時点ではイコライザーアンプもプリアンプも無いので音を出す事すらできません。
2014/6/2
2014/6/20
6/20 昨日はほんの数曲聴いただけでしたが、現状の簡易なスピーカーでも
その音の違いが分かるくらいの鳴りようでした。早く本格的なシステムを構築
してじっくりと聴いてみたいな・・・と思っていたら何かボーカルがかすれて聴こ
えます。ハスキーボイスなボーカルなのと敏感なカートリッジなので、それが
強調されてしまうのかな?と思っていたのですが、楽器(45rpm/LP)でも f 以上
だとかすれた音です。f f になるとより顕著に表れます。針圧、インサイドフォ
ース等、確認しても全て異常は無く、よくよく調べたら、アーム取付高さでした。
「アームは必ず尻上がりになるように取り付けて下さい」と調整して行ったので
すが上がり過ぎていたのかなと調整を始めたら、これがとんでもない泥沼でし
た。冗談では無く0.1mmの高さの違いで音が変わります。ノギスで計測しなが
ら悪戦苦闘の末、アーム取付面〜リフター板上面まで34mmが現状でベスト
位置である事を付き止めました。大げさなと言われそうですが、ボーカルが微妙
にかすれるか、まともに出るかの高さが33.9mmでも34.1mmでも無く34mmです。更に良い位置があるのでは?と思い、高さを変えて見たらどうしても探せず、34mmへ戻すのに一苦労でした。これでもノーマルLPなら何も問題ありませんが、現状で最高の音質と思われる45rpm/LPや重量盤LPでは改善はされたものの、満足の行く音ではありません。考えるに、カンチレバーがあれば少々の誤差は吸収されるのでしょうけど、ダイレクトカップリング構造+製造時の微妙な針先角度の違いにより、このような現象が起きるのでしょうか・・・? 今の所、ノーマルLPは問題ありません。45rpm/LPや重量盤LPは手こずりそうですが、今後は手では困難な妙な高さ調整が出来る治具を作ってベストな位置を探ろうと考えています。手に余り、クレームが後を絶たない魔性のカートリッジとも欠点を補って余りあるカートリッジとも聞いていましたが、あの池田 勇
氏が心血を注いで造ったカートリッジとアームです。間に合わせに取付けたフォステクスの10cmフルレンジ+カールホーンから出る音ですら魅力的な音で、底知れぬポテンシャルを秘めているのは間違いなく、俄然やる気の出てくるカートリッジです。この駿馬を絶対に飼い慣らして見せます。
アーム カートリッジ装着
6/19 販売店の方がわざわざアームとカートリッジの取付と調整に来て下さいました。「取出し時の破損が多いので、アームは私が行くまで絶対に箱から取り出さないで下さい」と伺ってましたので、上蓋を開けて眺めてはいたものの、その全容を見るのは今日が初めてです。相当に気難しいカートリッジと聞いていましたが、流石に手慣れたもので、テンプレートもスケールも使わず、あっと言う間に取付と調整が完了し、問題無く一発でまともな音が出て来ました。流石にプロフェッショナルです。使用に当たって特に注意された事は盤と針先のこまめな清掃です。チップとヨークのギャップを極限まで狭くしてあるため、ここに埃が入り込んで音が出なくなる故障が多いそうです。イコライザー付プリアンプは友人から借りて来ました。
アームとカートリッジが装着されて、システムの「形」は完成しました。今後のチューニングが課題です。
IKEDA IT-407 CR-1 美しく、非常に精巧な造りです。
IKEDA IST-201 MUSA・U用に開発されたST-200の後継機。ローインピーダンス専用トランスです。
IKEDA9 MUSA・U 世界唯一無二のダイレクトカップリングカートリッジです。自重52g!! SPUの32gでさえ重いと感じてましたが、比較になりません。あっけないくらいまともに音が出たので、思っていたほど気難しいカートリッジでは無いんだな・・・と感じましたが翌日、その魔性を表します・・・・・
一月末にイケダ・サウンド・ラボズへ調整に出していたMUSA・Uが約三ヶ月振りに戻ってきました。0.1mmの高低差で音がかすれるのはどうも微妙な調整のズレがあったらしく、見事に解消されています。聴くに耐えなかった45rpm/LPでも「サ」行で多少かすれる程度で、十分な音質で聴けるようになりました。調整の間の試聴用にとカンチレバー式のSAIを送って戴いてたのですが、両機種を聴き比べられるなんてこういう機会が無いと中々出来るものではありません。
MUSA・UはSAIよりだいぶ大きく、そして重く音の傾向ももちろん違います。SAIは図太い音で音楽性に富み、オルトフォン・SPUを彷彿させます。MUSA・Uはリアルそのものと言った感じです。SAIは返却しなければなりませんが、こうなると手元に置いて置きたいと思うのは贅沢でしょうか・・・・・。
2015/4/24
スピーカーがそこそこまともになってきたので、アナログ盤とCDを現在所有している同一アルバムでじっくり聴き比べて見ました。
@ジャズ:ブルース・エット カーティス・フラー LP/CD
Aクラシック:セル/ワーグナー名演集 ジョージセル LP/SACD
B和太鼓:鬼太鼓座 The Ondekoza LP/CD
既に分かり切っていた事ですが、改めてやっぱりCDはCDに過ぎないという事を再認識しました。なぜこれ程までに違うのだろう?と思う音です。鬼太鼓座のアナログ盤はデジタル録音ですが、それですら明らかに違いが分かります。ワーグナーのSACDでも同じです。音が平べったく、奥行き、広がりが乏しく、生気が感じられません。CDだけ聴いているとそんなに悪くも感じられないのですが、アナログ盤はやっぱり良いですね。
2015/7/20
2015/11/15
高域の付帯音が気になるので、オヤイデ電気商会のターンテーブルシートBR-12を購入しました。どの状態が良いか、@シート無し Aノーマルシート BBR-2 CBR-2+ノーマルシートで聴き比べたところ、@は付帯音が更に耳に付くかな?と思いきや大して変わらず、意外にもAと比べて音像が引き締まりました。Bは付帯音は抑えられましたが、@より音像が甘い感じで、Cが付帯音、音像共に纏まりが良く、一段低重心の音になった感じです。いずれにしても差はほんの僅かで、驚く程の変化ではありません。BR-2はレコードの反りを低減させるため、内周へ向けて僅かにテーパーが付いているので、スタビライザーの使用が前提になっています。そのためノーマル時と比べるとスタビライザーを置いた時、中央部で盤がすっと沈み込みます。
2015/11/26
設置してから一年半ほど経過して、各部のくすみが目立ってきたのでプラッター、ベース、アームも取外して清掃しました。プレーヤー本体は各部を微粒子タイプのコンパウンドで磨き、組立てる際に迷ったのがプラッターの水平調整です。プラッターを水平にしてBR-12を乗せ、水平器で測って見ると気泡が内側から2本目の標線に来ているので、約1/100の勾配が付いています。これを針が通過する部位だけ傾きを調整して水平にしたら良いのでは?と考えて調整して見たものの、角度にして僅か0.57°程の傾きを部分的に水平にしようとすると、ベースの隙間が各部でまばらになり、明らかに傾いているのが分かります。更に13kgものプラッターを僅かでも傾かせたまま回転させるのも気が引けるので水平に戻した所で一計を案じ、カートリッジを傾ける事にしました。軽量の水平器をカートリッジに乗せて左右角調整用のビスを緩め、気泡を2本目の標線に合わせようとしますが、これが中々どうして微妙で大変な作業です。
針圧、インサイドフォース、高さ等を全て調整し直して試聴したところ、「え、何これ?」と思えるような音に変化しました。前よりも重心が下がり、引き締った音です。前と調整が変わった所と言えば左右角だけで、これですらBR-2のテーパーに合わせただけなので、盤面と針先の接触角は変わっていない筈です。むしろ先日、BR-2を装着した時の方が接触角がずれていた訳で、何が幸いしてこのような好結果になったのでしょう? 針先が納品時から傾いていた可能性も考えられますが、一歩前進です。
MUSA・Uの難しさ
先日の調整でだいぶ音の出方が変わったMUSA・Uですが、年末に聴いていた時に妙な現象が起こりました。それぞれ違う盤で最外周のピアノに妙な金属的な付帯音が乗り、最内周のサックスがかすれるという現象です。この二枚の盤でのみ起こり、他の盤では問題ありません。こんな事があるんだろうか?と悩み、再度調整をし直す事にしました。まず、各調整箇所、水平は先日確認したので問題はありません。あと調整出来る場所は?と考えていた時、「IKEDAのカートリッジは盤を削る」と言う言葉を思い出しました。私のも録音の良い大事な盤の外周部でそれが起こり、毎回その場所で針飛びします。オーバーハング?と考え、テンプレートを作って再確認したところ、指定通り12mmで間違いありません。ですが、内側に滑って盤を削るのはオーバーハング長が多いかインサイドフォースキャンセラーが働いていないとしか考えられません。インサイドフォースキャンセラーの方は何度も確認、調整済みです。後はオーバーハングしか考えられないので、2mm刻みで少しずつ少なくして行ったらオーバーハング長10mmでサックスが、8mmでピアノの音が改善され、最終的にメーカー指定の半分の6mmになりましたが、今後も調整が必要かも知れません。通常のカートリッジではこんなにシビアに調整をした事はありませんでしたし、ダイレクトカップリングゆえの現象なのかも知れませんが、やはり一筋縄では行かない気難しいカートリッジで、なかなかに楽しませてくれます。音の方は前回から今回の調整で、初期と比べて飛躍的に向上しました。
2016/1/24
先日、プレーヤー周辺で少々乱暴に歩いたところ、針飛びを起こしました。前の自作プレーヤーでは周辺を歩くのはもちろん、御影石ベースをゲンコツで叩いてすら全く起こらなかった現象です。改めてプレーヤーを見ると、アーム取付ベースはロングアーム用なので、プラッターベースから結構伸びていて、振動に対しては一考を要する造りなのと本体を支えるスパイクベースの接地部はクッションゴムで支えられていて、この辺が針飛びの原因ではないかと思います。前のは全て独立させ、リジットな支持方式でした。このプレーヤーのデザインは気に入っていたので、手を入れるつもりは全く無かったのですが、このような障害が出てくると何らかの対策、あるいはアーム台、プラッターベースの製作も考慮しないといけないかも知れません。
MUSA・U故障・・・
再生中に突然、右chから音が出なくなりました。???接触不良を疑い調べて行ったら本体の右chに導通がありません。内部断線です。連休中は出来立てのLCR型プリのエージングを兼ねてじっくり鳴らし込もうと思っていたのですが、あえなくイケダ・サウンド・ラボズ送りとなりました・・・残念。修理の間、何も聴けないのも寂しいので急遽、カートリッジを購入しました、シュア・M44Gです。MM型を使うのは30年振りくらいかも知れません。音の方は比較するまでも無い事ですが、それでも中々どうして良い鳴りっ振りで、CDを聴くよりは遥かにマシです。超ロングセラーモデルだけの事はありますね。新プリアンプにしてからCDも確実に音質が向上していますが、LCR型フォノイコライザーはアナログ盤とCDの音の差を更に広げてしまいました。
2016/4/29
連休後、間もなく修理から戻ってきました。画像中央寄り下半分の両側に配線してある髪の毛よりも細い線、4本のうち1本が断線していたとの事です。清掃のやり方が悪かったのでしょうか?早速、取付けて鳴らしてみたところ、修理前より低域が増し、高域が減衰したように感じられました。イケダ・サウンド・ラボズの話では、恐ろしい事にこの断線修理した線の位置が多少なりともずれると音が変わるそうです。それを利用して希望があれば高域か低域寄りのどちらかにチューニングが可能との事でした。
通常使用外の音量位置で出ていたハウリングは極太のアームケーブルが原因らしく、ここから振動を拾ってアームに伝わっていた可能性があります。位置を変えたら収まりました。
2016/5/23
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SHURE V-15 TypeVとメンテナンス
SHURE V-15 TypeVを聴きたくなったのでオークションで落札しました。ですが人気機種とはいえTypeVは相当な数が出回っているはずですが、多くの落札価格は当時の販売価格以上の金額で取引されています。私が落札したのは黄文字の後期型で針カバーが無く、塗装が一部剥がれていたので比較的安価で落札できました。針周辺にはかなりの埃が付着していたのでブロアダスターや刷毛、ピンセットで丁寧に取り除き音を出して見ると記憶の隅にある間違いの無いTypeVの音ですが、今一つ伸びが悪いかな?と感じていたら2〜3時間ほどで改善されました。おそらくしばらく使っていなかったため、ダンパーが硬化していたのでしょう。
ヘッド部の重量が軽く軽針圧のためか、リフターを使わず手のみで上げ下ろししようとすると軽過ぎて神経を使うのと、中高域から上がどうも腰のしっかりしない音に感じたので2mm厚の銅板でスペーサーを作り、シェルの剛性と重量アップを試してみます。
シェルに合わせて作ったつもりですが、やっつけ仕事(笑)で作ったので多少の不満は残るものの問題無く装着できました。アームの調整をやり直して試聴してみたところ、音の重心が一段下がって腰のしっかりした非常に好ましい結果になりました。多少は変わるだろうなとは思っていたものの、このようなスペーサー一枚の効果は侮れませんね。TypeVのような軽針圧・ハイコンプライアンスのカートリッジはシェル部も軽い方が良いのかと思っていましたが、そうとも言い切れないようです。約40年も前の製品ですが、その音は当時と何ら遜色なく今さらながらSHURE
V-15 TypeVはMM型の傑作カートリッジだと感じました。
2021/11/23
SHURE V-15 TypeV
針カバーが無いので憶測ですがスタイラスは純正のVN-35Eと思われます。カンチレバーはさすがに腐食して汚いですが、チップは無垢でヘタっているようには見えません。針は交換時間が指定されていますが、チップそのものは強靭で指定時間を遥かに超える高寿命だそうです。ダンパーなどが先にだめになるのではないでしょうか。
IKEDA9 MUSA・U
ダイレクトカップリングなので非常に特殊な構造です。画像上がカートリッジの先端側、画像下がアーム側で横から撮影しました。チップは丸や楕円などではなく、見たこともない複雑な形状をしています。カートリッジの構造上、これ以上チップを拡大撮影できませんでした。このMUSA・U、一年ほど前から調子が悪く、問い合わせたところダンパー不良の疑いがあるらしいです。結構な修理代金が掛かるのですが、そろそろ覚悟を決めて出さねば・・・(笑)