スピーカーの製作が終わってからずっと考えていたプリアンプですが、方向性が決まりました。フォノイコライザーはLCR型、入力はPhono、CD、Auxの3系統、600Ω出力トランス送り出し、電源別置でトランス、インダクター、真空管を表に出した配置でと考えています。LCR型イコライザーは入力・出力共に600Ωの低インピーダンスなので前段のフラットアンプに負担がかかり、高インピーダンスの真空管では接続が厳しく、橋本トランスではトランスを用いる製作例が紹介されていますが、調べて見るとここで皆さん苦労されているようです。幸い過去の「無線と実験」誌に何例か紹介されている事が分かり、その中からこれなら良いのでは?と思う回路で製作する事にしました。初段・次段のフラットアンプはオペアンプIC増幅、終段に6DJ8を使い、電源は半導体整流です。紹介されていた回路には操作部からDCにて主電源をON・OFFできるリモート部、入力切換えセレクターはリレーを介して5系統もの機器を切換えられるようになっていましたが、この二つは私には不必要なので削除し、電源のON・OFFは電源部のみで行い、入力はセレクターで直に切り替えるようにします。
2016/2/20
ブロック図、回路図、完成予想図です。サイズはW420・L253・H175で真鍮板を曲げ加工してウッドパネルを取付けます。電源部が別なので、中は十分に余裕が出来てスカスカだろうと思いましたが、CADで部品を同一縮尺にして配置して見ると、場所によっては余裕がありますが、部品が集中する所は逆にぎりぎりである事が分かり、シャーシは最初に考えたサイズより一回り大きくなりました。シュミレートするのは大事ですね。大いに迷ったのが部品選びで、せっかく作るなら良い物をと、抵抗はVishay・VSR、コンデンサーはJantzen・Superior Z-Cap 、ボリュームはアルプス・RK501などをと選んで行ったら、予算大幅オーバーどころか、とんでもない事になるので全て見直しました。電源部が別筐体とは言え、ハムが出るのが心配なので、配線の取り回し、特にアースポイントはその回路の出来るだけ電位差の少ない所へと慎重に検討中です。
げんた作
電源部整流基板
オペアンプ電源基板
オペアンプ基板
基板・電源部製作
発注した部品が揃い始めたので基板と電源部から製作し始めました。抵抗やコンデンサーは良いですが、爪楊枝より細いダイオードなどは私のごつい手に余りそうな小ささです。
電源部が完成しました。配線は基板に集中しているので内部がすっきりしています。本体へのDC電源は5Pのキャノンコネクターで接続します。
2016/3/15
ウッドパネル荒加工
シャーシの真鍮板がまだ届かないので、その間に材木を荒加工して狂いを出させておきます。この材は葡萄杢の瘤が出たカリンで、大幹と小幹に分かれた木を輪切りにした物ですが、何ともすごい杢目です。希少で高価な材なので無駄にならないように慎重に採寸したところ、小幹側でぎりぎり木取り出来そうです。

こういう材は扱った事が無いので、狂い出した場合、どんな動きをするのか全く見当が付きません。加工が終わって30分で前面パネルに使用するつもりの薄めに木取りした材は既に0.2〜0.3mmの反りが出始めています。
仕上寸法での加工が始まったら、短時間で組み上げて早目に塗装したいものです。

それにしても、このような瘤だらけの原木の姿を残した材と杢目を見ると、どのような環境で育ち、何が起きてこんな杢目になったのかと想いを馳せずにいられません。一説には木の病気、ウィルスが内部へ入り込み、身を守る為にウィルスを包み込むような形の杢目になると言われていますが、大自然の不思議さが造りだした美と言うところでしょうか。
瘤杢の木でテーブルや花台を作るのが好きな方からすれば「細切れにして何てもったいない事をするんだ!」と怒られそうです。
2016/3/18
@
B
A
裁断の跡から木取りに悩んだのが分かるでしょうか?@がフロント、A・Bがサイドパネルです。外周へ向かってどんどん薄くなって行くので、@は仕上寸法を取ろうとすると、裁断した物から1/3程度の厚さになります。
裁断の定規にするため、カットした部分にカンナを掛けた面です。杢目が良く分かります。塗装すれば更に浮き出てきますが、辺材の白い部分もうまく織り交ぜて加工出来ればと思います。
@
A
B
瘤で凹凸が激しくギリギリでこれだけ取れました。既に狂いが出てるのは@の材です。あまり動かなければ良いのですが、このまま数日間、様子を見ます。
2016/3/27

オペアンプ基板再組立・真鍮板到着
先日、YAP・Yusa Audio Projectのyusaさんが2016自作オーディオ 音楽鑑賞会の案内状を持って訪ねて下さいました。その折にICソケットとコンデンサーだけの基板を見て、ICやその周辺の抵抗、コンデンサーの使い方などをご指導戴き、真空管アンプのようなつもりで組立てようとしていた私には良い勉強になりました。いずれ折りを見て紹介したいと思いますが、YAPさんのGICフィルター方式チャンネルデバイダーは素晴らしい製品です。一点の曇りも無い音と言いますか、私がこれまで持っていたチャンデバに対するイメージが180°変わってしまう程で、時期が来たら私も購入する予定でいます。
オペアンプ基板はICソケットとコンデンサーを取付けただけなので組み直すのは良いですが、悩んだのがどうやって40個もある部品を限られた範囲内に収めるかで、通常の抵抗やコンデンサーなら十分に収められますがAMRGやCross Capなどの為、数倍のスペースが必要です。元々、基盤内に収めきれないと思い端子台を介して抵抗、コンデンサーを取付けて行くつもりでした。採寸したところ、最終的に基板前後のイコライザーコイルとセレクターにぎりぎりで1mmずつのスペースを残し、基盤の大きさを倍にすると収められる事が分かったので新たに組み直します。
組み直したオペアンプ基板です。基板の大きさを倍にして抵抗、コンデンサーを立てても余裕は僅かしかありません。
t:3mm真鍮板とサブシャーシにするt:5mmアルミ板が届きました。5年後、10年後の木の収縮を考えないといけませんので、これが無いとウッドパネルの加工が出来ません。
2016/3/30
シャーシ加工
真鍮板と内部へ取り付けるアルミ板のサブシャーシに穴開け加工します。アルミ板はアンプ内部の改造、拡張の必要が出た時の為に、空きスペースに端子台等を簡単に取付けられるように予備穴を開け、タップ加工しておきます。加工を終えてから各部品を仮付けして確認した所、ボリュームとセレクター廻りの収まりが悪いのでそれぞれ加工して綺麗に収まるようにしました。
加工が終了しました。真鍮板はこの後バフ掛けしてクリア塗装します。
ボリュームとセレクターはナットが一個しか無く9mmという特殊な径の為、出しろ調整用に8mmワッシャーを加工してスペーサーにしました。表面への出しろをギリギリにしてもシャフトが長く、ツマミを取付けるとシャーシとの間が5mmも開いてしまうのに加え、ツマミはシャフトの固定部に逃げが無いので、ボリューム固定ナットの厚み以下には出来ません。シャフトとツマミ両方共削る事にしました。
ボール盤に二軸スライドテーブルを取付け、簡易的にフライス盤としてツマミを加工します。
シャフト固定用ビス穴ギリギリの2mm弱ほど平らに削り落としました。
際どい加工でしたが、シャーシとツマミの隙間を1mmまでに出来ました。それでも映り込みがあるので隙間は多目に見えます。
フロントパネルのホゾとシャーシ取付桟の加工終了です。仮組して各部の収まりを確認してから仕上げの加工、組立てに入ります。
組立て後のストップシーラー吹付け2回目。不規則な杢目なのでシーラーが一度で乗る場所と、2回吹いても塗料の吸込みが止まらない所があります。これは塗装で少々手こずりそうです。
2016/4/6
真鍮板バフ掛け・塗装
この真鍮板は比較的綺麗でしたが、加工中にどうしても付いてしまうキズを消すためにバフ掛けします。400〜1000番までのディスクペーパーを使ってキズを落とし、フェルト・布バフで磨いて行きます。バフ掛け用の電動工具では無いので回転が速いためか小さな磨きキズが残るので最後はコンパウンドで仕上げ、クリア塗装しました。
塗装は下塗りから数えて6回目です。十分な塗膜感と艶は出ましたが、木材の補修しきれない小さなヒビや塗料の吸込みが多い所は出来る限りの対処をしたつもりでも、僅かな光沢の歪みが出てしまうので今一つ納得出来ない部分があります。塗装は下準備1時間、吹付け数十秒・・・ そろそろ飽きてきたので、このまま妥協するか、更なる仕上げを目指すか思案のしどころです。
2016/4/10
納得出来ないので7回目の塗装。上々の塗膜になりました。3日間の乾燥後、サブシャーシを取付けます。
2016/4/20
サブシャーシは真鍮板底面より0.9mm落し込み1mmのハネナイトシートを貼り、真鍮板と密着させます。
真鍮板を取付けてシャーシ完成です。ここまで来れば後はパーツを取付けて配線するだけなので、完成は目前です。
ボリュームはギャングエラー回避と音質を考えて固定抵抗と22段アッテネーターで作りました。
各パーツを取付けて組立、配線して行きます。まあ、コーヒーでも飲みながら楽しみつつ♪
思っていたより時間が掛かりましたが、終了です。電源を入れて各部の電圧チェック、異常ありません。
完 成
機器を繋ぎ、どんな音が出るのか緊張の音出しです。ハム、雑音は出ません。 フルボリュームにしてもCDはほぼ無音、フォノで僅かに出る程度でとりあえずホッとしました。アナログ盤を再生して見ると音は少し硬く、高域にクセがあるように感じられましたが、思っていた程ではありませんし、僅か1〜2時間で見る見る音がこなれて来ました。まだまだ十分なエージングが必要かと思いますが、現時点でのLCR型フォノイコライザーの感想は、CR型やNF型と比べて奥行き感、立体感のある音に感じます。シンバルの余韻が美しく、サックスも実在感が増し、ボーカルも綺麗で、この先エージングが進むのが楽しみです。意匠、部品の配置、配線の取り回しなどで色々と考え悩みましたがまずは成功です。
測定とGICフィルター方式チャンネルデバイダー購入
YAPさんからチャンデバが完成したとの連絡を受け、受取りと同時にプリアンプの諸特性を測定して戴きました。心配していたRIAA偏差やその他も問題無く、上々の数値だそうです。驚くのはYAPさんの各測定機器の充実ぶりです。私感ながらとても個人の趣味レベルで揃えられる機器ではありませんし、こういった測定機の裏付けがあってのこのチャンデバの品質なのであり、製作が可能なのだと感じました。「使って見て下さい」とMCヘッドアンプ基板まで戴いたのですが、いずれ製作予定である木製アームに取付けるカートリッジと、MUSA・Uもヘッドアンプで試して見たいと思っていた私には嬉しいプレゼントでした。
2016/5/13
測定表です。まずは一安心です。
MCヘッドアンプ基板です。楽しみが増えました。
YAPさんのGICフィルター方式チャンネルデバイダーです。この音を聴かなければ私は一生チャンデバとは無縁だったかも知れません。これまで抱いていた私のチャンデバに対するイメージを覆してしまいました。160・800・7KHzの4Wayで作って貰いましたが、2〜5Wayまで展開可能です。フィルターユニットは差込コネクター式で、別のフィルターユニットを用意すれば簡単にクロスオーバー変更可能です。見事なハンダは美しいの一言で、私では・・・笑  ただ、大きな問題が一つ・・・・・ パワーアンプが一台しかありません(爆) 取りあえず、間に合わせに購入した安物のデジタルアンプと友人からWE349Aシングルアンプを借りる予定なので、次作パワーアンプはぼちぼち考えて行きます。
イコライザーアンプ部小変更
アナログ盤を聴く時にCDと同程度の音圧を得ようとすると、ボリューム位置が90°以上も余計に開くので、少々使い辛さを感じていました。現在使用しているカートリッジのMUSA・Uは出力電圧が0.15mVと通常のMCカートリッジの半分程しか無く、専用の昇圧トランスを使ってもその低さは補えていません。MM型カートリッジでは全くCDとのボリューム差はありませんので、元々の設計に問題は無く、あくまでもMUSA・Uの特殊性ゆえと思っています。しかし常用するカートリッジはMUSA・Uなので、使い易くする為に次段のオペアンプの利得を10dB程上げて見る事にしました。オペアンプ基板を作る時にスペースに余裕が無く、部品を立てて組んだのが幸いして、シャーシから外す事無く簡単に定数を変更出来ます。白丸で囲んだ元の10kΩのリードを切り、赤丸部分の10kΩを直列に追加して20kΩにしました。元に戻すのも簡単です。この小変更でCDとのボリューム差は20°程度になり、使い易くなったと共に、音にも張りが出て上々の結果となりました。ただ、問題にはならないレベルとして、当然の事ながらフルボリューム時の残留ノイズも増えています。大音量再生時のフルオーケストラのPP部分でさえこの残留ノイズは聞こえませんが、製作例のアンプは徹底したシールド対策をされていて、今さらながらイコライザーアンプ部だけでもシールド対策をした方が良かったかなとも思います(後にこのノイズはオペアンプの初期不良と判明)。まだ20〜30時間程度の使用時間でエージング途中ですが、LCR型イコライザーアンプはプリアンプとして私的に十分に満足の行く音に仕上がりました。
2016/5/29
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